健闘を称(たた)える―吉田沙保里

 

健闘を称(たた)える―吉田沙保里。


銀メダルおめでとう!
優勝を逃し、残念だったね。

両方事実である。
だが、一番正確な表現は「吉田沙保里、健闘を称(たた)える」である。
健闘とは、今回のリングでの健闘、オリンピックに至る全試合での健闘。だが、もっと重要な健闘があった。

オリンピックを目指しての日々のトレーニング、それ以上に、精神的重圧。通常でも、オリンピックは重圧が強い。それが、吉田の場合には、今大会で、もっとも期待された選手としての重圧もあった。

さらに、後に述べる〝国民栄誉賞〟から来る重圧があった。
この四年間は大変であったと思う。
練習、食生活を含む私生活、何よりも精神的プレッシャーとの闘いの日々であったと思う。

吉田選手への国民の期待が高まれば高まるほど、重圧は凄(すご)かったと思う。これら全部に対して、吉田沙保里の健闘を称(たた)えると記した次第である。

伊調馨の箇所でも書いたが、女子レスリングとのつきあいは長い。女子レスリングがオリンピックに採用される相当前からである。女子レスリングがオリンピックに採用される運動のときには、影ながら応援もした。

そして、女子レスリング黄金時代を迎える。
女子レスリングはオリンピック競技となり、吉田、伊調姉妹も登場してくる。吉田、伊調姉妹、浜口についての思い出は多い。

この四人が、合宿をしていた頃を懐かしく思い出す。
この四人が一堂に会した場面を、明石家さんまの番組から紹介を行う。

今後も女子レスリングは進化を続けるかもしれない。
しかし、私も本年六十四才となり、人生(生きている内)においてすべき・しなければならない事項が山積している。私自身の起業のみか、世界的大義でしなければならないこともある。

今後、スポーツ番組所かテレビすら見られないときが来ると想像している。そこで、私自身の(2000年代の)思い出の意味からも、2000年代の(応援していた)女子四人組を取り上げることにした。

なお、本日も川井梨紗子選手が金メダルをとっている。

しかし、私と面識がないため、祝いメッセージを書いても不自然であるばかりか、本人も当惑するであろう。
今回は、私自身の過去の思い出として、2000年代の女子四人のコンテンツを別に掲載する。深い意味はないので誤解をせずにいただきたい。ただ、単に私の思い出としての掲載にすぎない。

最後に、吉田沙保里、目標に届かず残念だったね、だが銀メダルおめでとう!
それ以上に、君の健闘を称(たた)える。


【NHKリオ】こんな時がくるとは・・・ あえて言おう「吉田選手、あなたは良く戦った」 レスリングの女子53キロ級 《浜田コメント・このコンテンツは制限があるため、アンダーラインをクリックしてYouTubeからご覧ください》。
https://www.youtube.com/watch?v=KMqsRT7l1po

080718 さんまのまんま 산마노만마 無 栄和人・伊調千春・吉田沙保里・伊調馨・浜口京子 판도라TV




追記(スポーツ選手と国民栄誉賞問題)


国民栄誉賞に、私は賛成でも反対でもない。ただ、現役選手に与えるのは、問題があると常にクレームをつけている。何故ならば、選手寿命を縮めたり、選手の練習、成績に悪影響を与えたりするためである。

吉田……銀メダル……《「夏季五輪の主将は表彰台に立てない」というジンクスを6大会ぶりに覆した形だ》(毎日新聞HP)。こちらは単なるジンクスである。
だが国民栄誉賞問題はジンクスではない。


スポーツ選手と国民栄誉賞問題は拙著『日本のフィクサーME・下巻』第5章「八・報道ステーションでの対話人物――故後藤田正晴氏、王貞治、渡邊恒夫」に記している。
※同本(Kindle版・Kobo版、各百円)の詳細解説箇所→
http://h-takamasa.com/custom37.html

類似した内容で、簡単な解説箇所は下記Blog等。

公式Blog 15-082・夢か現か24―なでしこジャパン』(2014年再録と2015年追記文)
http://hamatakachan.uh-oh.jp/?p=1828

《抜粋開始》

……
すると、今度は菅内閣が動く。当時の官房長官は枝野氏だったと思うが、国民栄誉賞を〝なでしこ〟に、を決定する。私は、国民栄誉賞を現役選手に与えるのは、選手寿命を縮めるため問題が多いと警鐘を鳴らし続けてきた。栄誉賞受賞により行事参加も増大し、他の人間との軋轢(あつれき){嫉妬(しっと)・嫉(ねた)み}など余分なことで練習に専念できなくなる危険性もある。これが思った以上に若い選手にはこたえるときがある。
……

さらに、ボロボロになるまでやりたいと思っても、国民栄誉賞が邪魔をし、名誉を崩さぬため、引退を早める。国民栄誉賞自体に反対はしていないが、「現役選手に栄誉賞を与える……」には私は反対の立場を取っている。もし、高橋尚子選手が栄誉賞を受賞していなければ彼女はまずオリンピックに連続出場していたであろう。王さんは…???。イチロー選手にもその趣旨のアドバイスをしたことがある。それ以外の何人もの現役選手にアドバイスをした。これらは悪魔で夢の中の話である。
《抜粋終了》

要するに、①練習その他のペースの乱れ、②同一スポーツ界、他のスポーツ、スポーツ以外の有名人の一部からの嫉妬(しっと)・嫉(ねた)みで精神的に嫌なことがおおいこと、③ボロボロになるまでやりたいと思っても、過去の事例の如(ごと)く選手寿命を縮めること、などである。

国民栄誉賞に賛成でも・反対でもない。栄誉賞がある以上、大鵬さん、長嶋茂雄さんには早く授与せよと主張してもいた。ただし、現役選手は、選手のことを考えると、引退後か引退直前まで、授与するなと言い続けてきた。

授与される選手に問題があるのではない。授与することにより、為政者への関心をもたせようとする側(がわ)に問題があると言っているだけである。誰でも(特に若い選手は)、授与すると言われれば、事情が分からねば喜んで授与されるのは当たり前であり、選手側の問題ではない。

過去、何度も、国民栄誉賞を現役の選手、ましてや若手に与えることは選手寿命に響くので慎重になれと警鐘をならしてきた。


ちなみに、吉田沙保里に国民栄誉賞を授与したのは野田佳彦元総理であった。彼は何度も記したように、私が早大大学院政治学研究科に籍をおいていたときの、早大政経学部政治学科の学生であった。当然、彼の試験監督の一部は私がしていた。また、彼が指導を受けた教授と私が知り合いの可能性も高い。

そこで、野田君が総理の間は、一切助言やアドバイスを止めていた経緯(いきさつ)があった。(見るに見かねての消費税値上げ前の衆議院解散と、尖閣国有化後の中国との軋轢(あつれき)に対してどうすべきかの進言)のみである。
※安倍政権下では、特に提言を求められているようには思われないことも、記述しておく。

要するに、私と親しいか、それに近い総理のときは助言などを求められることが多いが、野田君のときは、表でも繋(つな)がっている可能性があったため、助言類は避けていた。そのときの国民栄誉賞であった。

なお、蛇足ながら、吉田沙保里のお父さんは、プロレスの長州力の後輩であり、同時期に専修大学レスリング部に所属していたと思われる。世の中は本当に狭いものである。


こうした事情があったが、私は心の中で、吉田がオリンピック四連覇を果たし、「浜田さんの言うことは一部当たっているかもしれませんが、私はこのように四連覇を果たしました」ということを願っていた。
本日の原稿の案も、その角度から書けることを願っていたことを付け加えておく。