メッセージ16-03・室伏君の、第一ステージ(第一幕)から第二ステージ(第二幕)への移動に当たって。

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室伏君をテレビで最後に見たのが2016年6月17日であった。そのとき、私はテレビに向かい、一言言った。「Take it easy. (日本語では「気楽にやろうよ」くらいの意味であろうか)」。
もう一言言いかけた。「一度くらい、ハンマー投げ会場で楽しもうよ」であった。だが、二言目は言うのをやめた。リオデジャネイロオリンピック用にとっておいた。

しかし、残念ながら、リオデジャネイロオリンピックへの出場は無理となった。私は、本来ならば、室伏君ならば、リオデジャネイロオリンピックは間違いないと思っていたし、今でも思っている。

だが、室伏君がJOCの委員となり、2020年東京オリンピック・パラリンピック組織委員会理事にもなってしまった。しかも、周知の如く、東京へのオリンピック誘致問題が、ロンドンオリンピック以降にあった。私は、この時点で、四十才の壁どころではない、大変なことになったと思っていた。

上記役職が大変なスケジュールであることは誰でも分かる。練習のリズムも狂う。ペースの維持も、メンタル面での緊張感の持続も狂う。しかし、スケジュール以上に大変なのが、これらの職の重圧である。ストレスも大きい。ときには、目に見えぬ重圧もある。私はこの種の重圧類は多少知っている。ある意味では室伏君は私の分野・世界に入ってきたのかもしれない。

そして、6月25日未明に、室伏君引退のニュースを見た。すぐに、YouTubeで試合模様と引退会見を聞いた。

室伏君、長い間、夢を与えてくれてありがとう。

だが、長い間お疲れ様でした、とは言えない。何故ならば、室伏君は第一ステージ(第一幕)から第二ステージ(第二幕)に移行したからである。そして、この第二ステージは、恐らく、第一ステージ以上に疲れる世界と想像しているからである。

第二ステージ(第二幕)とは、東京医科歯科大学教授、JOC理事、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会理事、……である。この世界は想像以上に大変な世界である。ましてや、東京オリンピックへの準備が入る。

この世界で、黙って「イエスマン」に徹するならば、多忙なだけですむかもしれないし、すまないかもしれない。だが、よかれと思い、何かをしようとすれば、時には想像を絶する大変な世界である。柔道の山下君、相撲界の貴乃花(昔の貴花田)君……なども経験した可能性もある。

第二ステージ(第二幕)では、私の裏の顔?を知っている人間との出会い(思わぬ所で・思わぬ形で)も増えてくるかもしれない。今度は室伏君とのつきあい方も違う次元に移行することになるかもしれない。
しかも、この世界では、「火のないところに煙はたたない」は通用せず、「何もない所でも煙がたつ」ことも多い。誹謗・中傷どころか、デマが山ほど飛び交うときもある。
室伏君もそうしたいやな経験をこれからするかもしれない。私などは、デマが飛び交い、大変どころではない。
そこで、今後は、他人の言動や新聞・TV報道などは無視し、双方素朴にお互いを信じた上でつきあいをしたいと考えている。

室伏君、第二ステージ(第二幕)での活躍を期待しています。

最後に、室伏君の第一ステージ最後の試合のYouTubeと室伏君のお父さん(室伏重信さん)の解説のYouTubeを掲載しておきます。

室伏広治選手が引退~父・重信氏が生解説


【6月24日】ハンマー投げの室伏が引退!